第11回:稲前神社 ─ 実りを守り、家康公のルーツを見守る神社

岡崎観光

家康ゆかりの街 岡崎の神社仏閣巡りと、食のひとやすみ。

愛知県岡崎市。徳川家康公が生まれたこの町には、今もなお家康公にまつわる神社仏閣が点在しています。
このブログでは、そんな岡崎の歴史ある寺社を一つひとつ巡りながら、訪れたあとの“より道”として、和食料理店「魚信(うおのぶ)」もご紹介していきます。

祈りと歴史に触れ、少しだけ立ち止まり、美味しいひとときを味わう。
そんな“心とお腹が整う”旅のおともに、どうぞ。


稲前神社 ─ 実りと暮らしを守り続けた、家康公のふるさとの杜

岡崎市稲熊町に鎮座する稲前神社(いなさきじんじゃ)は、
古くから五穀豊穣・家内安全・商売繁盛
を祈る氏神さまとして、地元住民に大切にされてきた神社です。

その歴史は非常に古く、平安時代後期にはすでに社が存在したとも伝えられており、
この稲熊の地を守り、育んできた“根っこの神社”ともいえる存在です。


家康公と稲熊の土地、そして稲前神社

稲熊町は、徳川家康公が誕生した岡崎城の東側に広がる農村地帯であり、
幼少期の竹千代(家康公)は、この土地に流れる田園や里山の風景の中で育まれてきました。

家康公の実母・於大の方(おだいのかた)の実家である水野家も、農耕と武家の両面を持つ家柄で、
「土地を耕し、実りに感謝する文化」に深い理解を持っていたといわれています。

稲前神社が守ってきたのは、まさにその“実りの精神”
直接の奉納記録などは現存していないものの、
この土地の豊かさと安定が、家康公の誕生と育成の背景にあったことは確かであり、
“家康公のふるさとを根底で支えた神社”として、非常に重要な位置にあります。


境内の見どころとご利益

◉ 稲荷神を祀る本殿

主祭神は宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)
稲を司る神さまとして、五穀豊穣・商売繁盛・家庭円満などにご利益があるとされています。

朱色の鳥居と拝殿は、稲荷信仰らしい明るい佇まいです。

◉ 地元に支えられる“氏神さま”

春の祭礼や地元子ども会のイベントなど、地域行事の中心として長く親しまれてきました。
町を見守る神さまとして、今も多くの方が訪れています。

◉ 日常の祈りが届く静けさ

観光地化されていないぶん、静かで落ち着いた空気が流れています。
大きな神社にはない「身近な神さま」のやさしさを感じることができます。


アクセス・参拝のヒント

  • 名鉄「東岡崎駅」から車で約15分/市バス稲熊線利用も便利
  • 駐車場なし(近隣に迷惑のかからない配慮を)
  • 拝殿前での参拝は自由。ご祈祷は地域行事で対応

春の新緑、秋の紅葉シーズンに訪れると、神社の雰囲気が一層引き立ちます。


祈りと実りの象徴を、魚信で味わう

稲熊の神社を歩いたあとは、
この土地で育まれた“旬の恵み”を味わいに、**和食処・魚信(うおのぶ)**へ。

魚信の料理は、素材への感謝と手間を惜しまない姿勢が息づいています。
まさに「祈りと実りの食文化」を体現した一膳を、心ゆくまでどうぞ。

本日のおすすめ御膳(例)

  • 季節の天ぷら
  • 鰻釜めし
  • 冷やし鉢
  • しらすおろし
  • 本にがり豆腐
  • 水菓子

農の神に祈り、旬の味で締めくくる。
そんな心豊かな“より道”をぜひ。


さいごに:目には見えない“ふるさとの支え”

稲前神社は、岡崎の華やかな観光地とは違い、
あまり語られることのない“影の支え手”のような存在です。

けれど、ここが守ってきたもの──
農と暮らし、地域の営みこそが、家康公という英雄の“根っこ”を育てたのかもしれません。

そんな場所に立ち、ゆっくりと手を合わせてみてください。

次回は、西の地に祀られた「八柱神社」へ。
家康公の血筋と土地の力を結ぶ、もうひとつの物語をご紹介します。

コメント

味の集会場 魚信 女将の西田敬子です。

名古屋短期大学を卒業後、地元の自動車メーカーで海外のお客様の工場案内などを担当していました。その後22歳で退職し、若女将として魚信に嫁ぎました。仕事をしながら一姫三太郎を育てる日々の中で、100名以上の年上スタッフや若いアルバイトと接するうち、コミュニケーションやモチベーションの難しさを感じ、様々な勉強会に参加してきました。

特に脳科学やメンタリングを学ぶことで、スタッフやお客様との関わりがぐっと深まりました。

今、大切にしているのは『感謝』の気持ちです。日々の小さなことにもありがたさを感じ、毎日が奇跡の連続だと実感しています。皆様のおかげで、心から感謝の日々を送っています。

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